イカレタ男 

大島

年若い人間の会話には「イカレタ」が多い。しきりに「イカレタンデスカ?」「イカレタラ」などと言う。これは我々の日本語では「いらっしゃったんですか?」「いらっしゃったら」と翻訳できる。イカレタも間違いではなかろうが語感の悪いのが致命的だ。もちろん私は絶対使わない。何でもレルを付ければ敬語になるだろうという発想が気に入らん。「敬」がないのに言葉だけ敬語形式にしておこうという考え方が見え見えである。テレビでは「おしゃべりになる」という変な言葉も聞いた。「しゃべる」は「話す」のくだけた言い方である。これが敬語になるわけはないだろうに。「見た」の敬語は「ご覧になる」だが、若者はこれが言えず「見られた」を連発する。何にでもレルラレルをつけて敬語化した気になるのは、ら抜き言葉蔓延の反作用ではないだろうか。そんなことを考えてしまう。

「いいです」「ないです」もヘンな言葉だが、話し言葉やネット上の文章では普通のように使われている。いまは辞書にも載っており、現状追認式だが既に市民権を得ているわけだ。さすがに新聞やその他まともな文章ではこの言い方はなされていない。したがって許容されているが抵抗もあるということであろう。たしかに話し言葉が「ない」「いい」で終わってはぶっきらぼうの印象を免れない。

書き言葉でおかしな表現に「……すべき」というのがある。新聞見出しや区議会の議事録に多いが、正しくは終止形の「……すべし」であろう。「すべき」なら「だ」や「である」が後ろに付かないとおかしい。したがって「すべき」はそれらの語が省略された表現だとの屁理屈も聞いた。ならば「すべし」で何がいけないのか。滝廉太郎が曲を付けた武島又次郎の「花」は「眺めを何にたとふべき」だが、語尾の省略によって余韻を生み出す詩歌ならではの技法である。「すべし」では古色蒼然としすぎとの指摘もあった。それなのに「すべき」がいいとはどういうわけだろうか。
  

一太郎 

調布

一太郎2011 創 プレミアム(以下「一太郎」)を購入した。DOS時代は日本語ワープロのナンバーワンとして鳴らした一太郎も、Microsoft Officeに押されて苦戦が続く。しかし根強い支持者がいるからバージョンアップしているのであろう。いまなぜ一太郎を買ったかといえば、リュウミンと新ゴがファミリーで使えるというのに惹かれたのである。ところが如何せん字体が古くJIS2004以前の字体である。Windows Vista以降、MS明朝・MSゴシックがJIS2004をサポートしているのに比べて見劣りするのは言うまでもない。しかもこの書体は一太郎・花子など対応アプリでしか使えないのだ。字形の問題だけなら、たとえばリュウミン-Lの場合その漢字だけをMS明朝に変えれば何とか対応できるだろうが、新ゴは何で代替するのかなど悩みは残る。なお、一太郎は漢字・仮名を別のフォントにするような混植の指定は出来ない。

買った後で気づいたのだが、OSがVista・Win7ならばリュウミン・新ゴのファミリーにMB101を加えたTrueTypeパッケージが1万円ちょっとで買えたのである。私のパソコンはXPだから恩恵に与れないが、パソコンを新しくしてもいいくらいこのモリサワのフォントパッケージは魅力的だ。なにしろ、DTPの世界で日本語組版の定番がリュウミン・新ゴ・MB101の組み合わせなのだから。他方、ジャストシステムはなぜこんな中途半端なおまけを付けたのか疑問である。

しかし一太郎にはもっとイヤな問題があった。まず一太郎をインストールしたらパーソナル編集長の動作がおかしくなった。一太郎とパーソナル編集長をアンインストールし、入れ直したら解消した。こんどはMicrosoft Works7.0の表計算の動作が狂い始めた。これはインストールのし直しでは直らない。カーソルをセルに移動しただけでデータが次々に消えていく恐ろしい症状だ。手が付けられない。これらのファイルはExcelのファイルにしてOpenOffice(私の持っているMS Office互換ソフト)で使うしかない。で、肝心の一太郎だが、何に使ったらいいのだろうか??
 

こうびろう 

番所橋

後鼻漏と書く。蓄膿症の一種らしいが、鼻汁が喉に下りて痰のような症状になる。喉に絡んで出てこないとすごく苦しい。「うぐぁぁぁ」などという声とも呻きともつかない音が出るので、道路や電車などで振り向かれることもしばしば。もう数年の付き合いになる。ティッシュは必需品だ。最初、近くの内科で診てもらったら喘息といわれ、吸入式の薬も処方されたが改善せず、今度は当時勝どきに通い詰めだったのでそこの耳鼻科にかかった。副鼻腔に炎症が見られ後鼻漏と診断されて3年ほど通ったが、薬を飲む以外の対処法はなさそうであった。勝どきの仕事が完全になくなり、止むなく近く(といっても一駅離れた東大島)の耳鼻科を受診することにした。改めてX線写真を撮ると、勝どきで撮ったときよりはるかにひどそうなモヤモヤが見られた。そこへは週1回通って薬を貰いネブライザーをかけてもらっている。しかし年季の入った症状はなかなか改善されない。耳鼻科は徒歩で30分位かかるが、年末にコレステロール値が高いと言われたのでその低減を狙ったつもりだった。歩いてみると新しいスーパーが出来ていたり100円ショップが出来ていたり、知らないうちに東方向の道が賑やかになっていることに気づく。大きなマンションがいくつか出来たせいであろう。途中の番所橋付近の風景も工場だらけの一昔前とは一変している。