舟公宣奴嶋尓 

新宿御苑


河馬壱公演に続いて、18日は錦糸町トリフォニーホールへ現代音楽の「グループNEXT第15回作品展」を聴きに行った。事務局を担う浜田実弥子さんに券を送っていただいたのである。浜田さんはピアノ教師やフリーライターのほか、ミネア・クリスタルの名前で雑誌に星占いを連載する占い師の顔も持つ。子供用ピアノ教則本『ポケモンおんがくわーく』(ドレミ楽譜出版)などを上梓している。昨年の正月に夫君でNEXT代表だった高橋東悟氏を喪い、いろいろご苦労なさったようだ。今回も高橋氏の作品が2曲演奏された。
作品展(演奏会といった方が通りがいいか)は2台のピアノによる緊迫感溢れる演奏で幕を開け、クラリネット、ピアノ、ギターによる演目が続く。いずれもクラシック音楽にある耳慣れた旋律のアナロジーを排し、不協和音の多い“難解”な楽曲ばかりだが、終わってみると結構な大入りでビックリした。最後は法倉雅紀作曲「舟公宣奴嶋尓(柿本人麻呂の羈旅歌より)~連弾の為の」。『万葉集』巻第三・人麻呂の羈旅歌の一番目「三津の崎 波を恐こみ 隠り江の 舟公宣奴嶋尓」の末尾の6文字が訓義不明であり、曲はこの謎の6文字に着想を得ている。私の頭は音楽よりこんな部分に反応してしまう。

都議会議員選挙は低投票率の下、自民党が圧勝。国政でも時効政権が勢いづくだろう。「恋のから騒ぎ」で顔を売った女放送作家も当選。空騒ぎどころか、2党で何でも決めて暴走となったら……。
       

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物語はゴッケることなく…… 

錦糸町


16日朝のNHK日曜討論で、アベノミクスに反対する学者・高橋伸彰が「成長という言葉は1951年に初めて使われたもので、それ以前にはありませんでした。成長は希望ですが希望は(必ずしも)成長ではないんです」みたいなことを言っていた。「成長」など戦前から盛んに使われた言葉だと思っていたので意外だった。GDPが大きくなったりすることを、では何と呼んでいたのだろうか。翻って今日の停滞社会、減退社会にあって相も変わらぬ成長を唱えることは虚妄である。カンフル注射と点滴と酸素でなおも「成長」を強いられる国家・社会の姿は痛々しい。

土曜日の夜は劇団河馬壱の第33回公演「荒地伯ゴッケルの試練 或いは伯爵令嬢は如何にして両親に天国と地獄を見せたか」を観に行った。河馬壱の公演は去年酷評したので期待半分だったが、今回はブレンターノの長篇童話『ゴッケル物語』をネタ本としており、それなりに楽しめた。ブレンターノと聞いても一向にピンとこない上、戦前に出た岩波文庫本は品切れで青空文庫にも収録されていない。しかし幸い、ネットにはこの作品の情報がたくさん載っている。古城で暮らす没落貴族ゴッケル夫婦と娘がソロモンの石の指輪を手に入れたことで、奇想天外な事件に巻き込まれるというファンタジーである。登場人物が皆ニワトリや卵に絡んだ名前なのも原作通りだが、そんな高名な童話を自前のドタバタミュージカルに翻案した河馬壱の手腕は素直に認めたい。いつもさまざまな素材を換骨奪胎して河馬壱風ごった煮にしてしまうのが彼らのやり方で、多少の出来不出来はあれ33回も続いたのは大したものだ。キャストが入れ替わるめまぐるしい展開についていくのは骨が折れたが、物語はゴッケることなくプチ感動の裡に幕を閉じたのであった。

付記)一部事実誤認が指摘されたので書き直しました。
       
         

暗室復活? 

砂町銀座


我ながら大変なことを始めてしまったものだと思う。実は野辺地の写真展の作品を、9月からモノクロに差し替える宣言をしてしまったのだ。それでこの度、暗室スペース(ダイニングキチンの片隅)を掃除し、昨夜数年ぶりに引き伸し機の灯を入れた。一通り作業をやってみたが、なかなか勘が戻らない。印画紙も古くなってへばり付いているし、液体現像液は変色している。選んだカットも良くなかったが、それを四切でワンカットだけ焼いてイマイチ調子が出ず、この日は終りにした。
目論見としては全カット印画紙に焼くだけ焼き、スキャンしてデジタルデータにし諧調や濃度を整えてプリントするつもりだった。印画紙のプリントで通す自信がないし、家庭用フラットベッドスキャナの性能は非常に優秀だからだ。しかしこれだと費用がバカにならない。当たり前だが倍掛かるわけである。別の選択肢としてネガをフィルムスキャナでスキャンしてデジタル出力、またはデジカメで接写(複写)してデジタル出力という方法もあるが、これらもやはり自信がない。もう少しやってみてから結論を出すつもりだが、30点ある六切のマットを新たに(フレーム付属のマットは気に入らないので)作ってもらい、それに六切以下のプリントをはめ込む程度なら私の腕でも何とかなりそうだ。四切は6点だけだからデジタルでもいけるだろう。
これから暑くなるので冷房のないダイニングでの作業は難しい。仕事の少ない6月中に片を付けたいところだが、また七転八倒することになるのか。この9月には祖母の33回忌、弟の13回忌、父の7回忌が重なる。それまでに法名碑も建てなければならない。体力と資金が続くことを祈る。