武富士事件に思う 

駿河台/大山商店街
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毎月の古紙回収が終るか終らないかというときに、メルマガの仕事がドサッと入ってきて粟をくった。とりあえず最初の5本を片付けて一息ついたところだが、これがけっこう面倒くさいのだ。文章はさておき、体裁の微妙な部分を直そうとするとMicrosoft Wordの知識が必要になるが、こちらはそのへんを経験主義でやっているので無駄な時間が掛かったりする。Wordについては、小ネタ、裏技、なんでもネットで見つけられるので不便はない。そういうところがデファクトスタンダードを目指すWordのメリットともいえる。

8月末、谷垣法相は内閣改造直前に2人の死刑執行を命じ、在任中の執行数は計11人に上った。2人の内の1人は2001年武富士弘前店に放火して店員を殺傷した小林光弘氏であった。小林氏はガソリンを撒き火をかざして金を出せと脅したが、店長は拒否。せせら笑って目の前で警察に電話したので、プライドの高い津軽人・小林氏は引っ込みがつかなくなって火を付けてしまう。小林氏が「店員は逃げるだろうと思った」と殺意を否定し続けたのは嘘ではあるまい。ところが、その店は2階にあったものの非常用の避難設備は機能せず、避難訓練も行われていなかった。逃げ場を失った店員9人の内5人が焼死(店長は負傷)した。事件後、武富士の社長は「こういう場合は金を渡すよう指導している」と語ったそうだが、白々しい。金を渡したとて会社に損害は出ないし、どうせすぐ捕まる体の稚拙な犯行であった。
しかし、その後の裁判は何だか妙な方向に進んだ。当初地元紙も報じていた会社や店長の責任は無視され、小林氏極刑の線でどんどん収束していった。最高裁は2007年に上告を棄却し死刑が決まった。再審請求が8月6日に退けられ、次の再審請求を弁護士に相談していたという。短絡的犯行の罪は重い。現行制度で死刑は免れなかったかもしれない。だが、他の問うべき罪を問わず彼1人だけの死刑で尻ぬぐいするのはどうであろう。押し入った先が武富士だったがゆえの悲劇ではないのか。私には何とも後味の悪い顛末に思えてならないのである。なお、武富士は会社更生法が認められた後もマスコミを賑わしたが、現在、武富士ダンサーズのCMを覚えている向きは少なかろう。

3日から5日まで母の命日で帰省する。その間のコメントはフォローできないので悪しからず。
     

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「あしたのジョー」に行き着けず 

北砂6丁目


練馬区美術館へ『あしたのジョー、の時代』展を観に行こうとしたが、時間切れとなり練馬駅で引き返してしまった。西武池袋線は行き先は分かるが隣の駅が何という駅か大変分かりづらい。練馬から1つ先の中村橋へ行かなくてはならないのだが、それはホームに2つしかない駅名票を見なければ分からない。事前調査不足と言われればそれまでだが、至れり尽くせりの地下鉄の案内表示に慣れている身には、パニックものである。ところで「あしたのジョー」自体にそれほど思い入れがあるわけではない。漫画もちゃんと読んだ覚えはないが、東京新聞夕刊の文化欄などがあまりに煽動的に取り上げていて観ないわけにはいかなくなった。
いわく、「……二十世紀を牽引したそんな政治的強権を消化不良のまま、なし崩しに受け入れる見返りに、国民は物質的な豊かさを手にしたが、同時にそれは権力を絶えず承認しつづけることでもあった。/そしてこのとき、豊かさの享受のために、わたしたちは心の底のわだかまりを自ら野辺送りする必要に迫られたのだ。ジョーとは、わたしたちが葬ろうとした自身の夢の死体、言い換えれば戦後社会の生んだ新しい英霊なのである」(石川翠)。どうです、観たくなったでしょう? 21日日曜日まで。

最近、電車との接触を避けるために多くの駅でホームドアなるものが設置されたことはご存じの通りだが、ホームドアなら家の扉ではないか。英語表示ではちゃんとplatform doorとなっている。外来語表記法は不便なもので、姿勢のformはフォームだがplatformはプラットホームと書かなければならない。ならばホームドアではなくてフォームドアが正しいように思うけれど、あくまでプラットホームの後半だけ使っているということなのだろう。私のやっていた雑誌では苦肉の策で車台を意味するときはプラットフォームでいいことにしていた。デジタルスチルカメラがはやりだしたとき、「スチル」は映画の俗語に合わせてスチールとしなければならなかった。したがってデジカメはデジタルスチールカメラとなり、驚きの鋼鉄製カメラが出現したのである。弾よけにもなる戦場カメラマン御用達の代物か?

付記:長くプリントを頼んできた大島の島田写真が18日で閉店した。3月にご主人が亡くなり、奥さん1人ではやっていけなくなったようだ。値段は高めだがきりっとしたプリントが私好みだった。島田さん、ありがとう!
     
    

ガラスの城 

現在、アクセスカウンターは11115を超した。ありがたい数字だが、実際このところなかなか更新できず、私自身がやきもきしていたのである。
昨日火曜日は、亀戸のくらもち珈琲でマスターの「墨東ーエントツの見える街ー」を観た。川の水利を生かして昔から「重工化学産業」(?)が発達した墨田・江東地区で、かつて建ち並んでいたもののめっきり少なくなったエントツのある風景を展示する。夕焼けをバックに煙を吐き出す雄大なコンビナートの遠望から、銭湯はもちろん家内工業を営む民家の見落としそうなエントツまで、丹念に撮り集めている。中には取り壊されたというのが惜しまれるシックな煉瓦のエントツも……。今年で15回目になるマスターの写真展だが、いつもどこかこの人らしい大雑把さが覗えるのもご愛敬か。なお私がコーヒーを飲んでいると、急に何組ものお客が入ってきて一杯になったので、何だか居心地が悪くなって早々に退散した。ひょっとして私が招き猫?

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今日はシルバーパスの更新に砂銀の先まで行ったついでに、例の路地の私設博物館へ寄ってみた。昭和テイスト溢れるアイロンやミシンの数々を見せてくれたお気に入りの場所である。今回はガラス器をメインに展示していた。今までと比べるとビジュアル的な迫力は少ないが、オヤジ館長の蘊蓄を聞いているとあっという間に時間が経ってしまう。ドイツの名器ローゼンタールは爪で弾くと金属的な音がする。ローゼンタールでも銘の入っていないものは廉価で出回っているのだとか。濃いピンク色の花器、金赤びーどろは文字通り純金を混ぜてこの色を出すという。印刷ではマゼンタ100%+イエロー100%の色を金赤(きんあか)と言うが、それはここから来ていたのか。印刷物で最も鮮やかな赤、一般に赤と呼ばれる色はこの金赤である。ただし、器の赤とは一致しない。

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その他、水出しコーヒー用のドリッパー(大きなものと簡素なものがある)は、一晩にコーヒー5、6杯しかとれないが、アクが出ないのでおいしいらしい。中がガラスの魔法瓶は、ステンレスになった今では大変珍しいそうだ。ガラスの魔法瓶は私の経験でも衝撃で簡単に割れ、壊れやすい器具の筆頭だった。横から氷を入れる日本酒クーラー(?)もある。白クマ氏など好きそうな代物だ。ガラス製ではないが、猫や犬の置物、かんな型のかき氷器、昔の電話機(完動品)もあり、こちらはイタリア製、元は革張りで彩色してあったが剥がれ、木の台座がむき出しになっている。このおじさんの倉庫にはまだまだ面白いものがいっぱいありそうだ。
そんなことを話しているうちに外が真っ暗になり、雨が降り出したのには驚いた。出かけるつもりで傘を用意していて助かった。

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