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 2017-04- 

中上健次とは誰か? 

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4月13日、今年も亡くなった弟のアパートを訪ね、高石(川崎市麻生区)の丘を一巡りして帰ってきた。弟のことは毎年書いているので詳しくは触れないが、彼が亡くなってもう16年。追悼の旅はまだしばらく続きそうだ。

             
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駅前のマクドナルドの裏手に五反田川が流れており、私製(?)の橋が架かっている。渡ったところに棕櫚というカフェがあるが、やっているのかどうか分からない。まず川とこれを撮るのが毎年の儀式。護岸の深い五反田川がクネクネと流れる丘陵地に、鉄道そして住宅街と飲み屋群が緊密な風景を形作っているのがこの地の特徴である。南口を撮り、陸橋を渡って北口へ出て津久井道を線路沿いに西へ歩き、GSのところから高石神社の方へ上がっていく。魚屋も馬頭観音もお地蔵様も、その上の中学校も変わらない。校庭では青い体操着の生徒たちが走り回っていた。
弟がいたアパートは今年もひっそり静まりかえっていた。平日のせいだけではなく部屋がだいぶ空いているようだ。アパートの桜の木は切られたが、近所の家の桜が満開の枝を延べていた。傍の丘の斜面も桜と菫、菜の花が満開であった。
そこから下って千代ヶ丘に出、細い用水路みたいな川筋を辿ってまた駅に戻るのが恒例のコース。途中の深ピンク色のベニトキワマンサクが見事だ。今年は細山調整池のゲートが開いていたので中へ入って少し写真を撮った。広大な谷間(普段は水は入っていない)に桜が見事な満開である。線路の南側を通って駅に着く頃には、夕陽が射してやっといい雰囲気になった。川っぺりに建つ小屋みたいな焼き鳥店では、女将がぼけっとテレビを観ていた。パチスロ店の駐車場周りを撮って、最後にドトールコーヒーに入る。誰とも口をきかない旅はこれで終わりだ。

                         
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土曜日はくまくま会例会で中上健次について写真家の渋谷典子が話すというのを知り、A氏を誘って参加した。場所は日大文理学部の百年記念館。くまくま会というのは、中上が創った熊野大学の聴講生による熊野を語る東京の会の略だが、主宰者が急逝したため今回で終了となる由。この日の参加者は20人余り。
会は中上の戯曲『かぬかぬち』の上演の一部始終を捉えたETVのDVDから始まる、この時写真家として同行し、かつ夫婦共々中上と親交のあった渋谷が語るエピソードの裡に、稀代の作家の実像を垣間見ることができた。中上唯一の戯曲とされる野外劇『かぬかぬち』は、壮大なスケールで新宮の神社跡を使って上演され、3日間で2,000人が観たという。かぬかぬちとは金属神のことらしい。中上にオーラはないと話していた渋谷だが、途中涙ぐむ場面もあった。それを指摘したA氏の眼力は鋭いと思った。最後は自己紹介で、中上ともくまくま会とも全然関係のない私にはきつかった。中上と小学の同級生だったという女性研究者も参加していた。中上をケンジクンと呼び手をつないだという。

               
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