布文化と浮世絵の美術館 

アミューズ7 
火曜日は高校の同窓会がらみの野暮用ついでに、1年下のおばさんに付き合って東京タワー下にある金地院と本所吾妻橋・妙縁寺に相馬大作の墓を訪ね、その後、浅草二天門のとなりに建つアミューズ ミュージアムを見学してきた。アミューズ ミュージアムは芸能プロダクション=アミューズが運営する「布文化と浮世絵の美術館」だ。浮世絵は階段とミニシアターの映像だけで物足りないが、布文化は民俗学者田中忠三郎(同ミュージアム名誉館長)のコレクションがすこぶる充実している。第1展示室には江戸~昭和期の農民の衣類を用いたテキスタイルアート「BORO」、第2展示室には古民具、第3展示室には黒澤映画「夢」の資料を展示しており、第4展示室では重要有形民俗文化財の刺し子を扱っている。
    
パッチワークの数々。右はメリヤス肌着の再利用
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東北地方は木綿が取れず、昭和初期まで農民の衣服や寝具はもっぱら保温性に乏しいが自家栽培できる麻に依った。幾重にも麻布を重ね、また麻を中綿の代わりに入れて縫い込んだものを2代3代にわたって継ぎ足し張り合わせたパッチワークが、日常の衣服や寝具であった。寝具はもっぱら掛け布団で、敷き布団はワラで代用され、寝具と防寒着を兼ねる丹前のようなドンジャも使われたが、1枚の寝具に何人かくるまって寝るのが普通だった。
貴重品の木綿を大切に使った後、布を細く裂いて緯糸にし、経糸に麻糸を張って織り上げるリサイクル技術が裂き織りで、いずれも稀少な材料を最大限に生かしきろうとする生活の知恵、究極のモッタイナイである。これらは北国農民の寒さや貧しさとの戦いが体現された展示だといっても過言ではない。刺し子は補強と保温のため麻布に木綿で幾何学模様を刺繍する技法で、津軽の「こぎん」、南部の「菱刺し」が知られるが、ここまでくると多少の余裕が感じられる。
  
腰巻きとお産用のボドコ

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田中コレクションは農民の執念がこもるパッチワークを「BORO」として世界に通ずるアートに昇華させた。その功績は大きいと思うが、これに近いものが戦後も我が町で使われていたことを思えば、複雑な気持ちになる。なお、このミュージアムは写真撮影可で展示品に触ることもできる。しかし3時間以上も階段を上り下りし歩きっぱなしだったので、すっかり疲れてしまった。彼女のおしゃべりに付き合わされたのも疲れが倍加した原因か。 

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コメント:

興味深い情報をありがとうございます

昨年~今年、幾度か浅草に出向いた折りに、気にはなっていましたが、そのような内容の展示でしたか。
かつて、民博でアイヌの民族衣装を見た時以来のインパクトかも。
次回は是非とも…。

Re: 興味深い情報をありがとうございます

忘れないうちにぜひいらしてください。ショップも面白そうです。

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