キューポラのある街 

四谷三丁目/大山
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うーーーん、前回は失敗だった。ネタが固すぎたか、誰も主菜の消費税論争に箸を入れてくれなかった。NHKで仕入れた新鮮なネタだったのだが、新鮮だからウケるというわけではないのだろう。岩本沙弓のくだんの新書本は購入したから、いずれ再トライするつもりだ。しかし岩本の文章はいささか冗長で読みにくい。まだとば口だが、これも著者優先で編集者の見識が反映されなかった本なのかもしれない。

そこで今回は吉永小百合を取り上げたい。小百合は高校以来大変お世話になった女性だがそれは歌の話で、俳優としての小百合は全然評価していない。悪いけど、彼女の映画は今でも全然観る気がしない。歌については佐伯孝夫・吉田正のコンビが実にうまく彼女のキャラクターを引き立て、我々少年の心を捉えてくれた。そういう少年が多かったから歌はヒットしたのだろう。私は今でも彼女の歌をかなりの程度歌うことができる方だと思う。しかし、有名でも私の知らない歌があった。その1つが『キューポラのある街』の主題歌である。実は浦山桐郎の監督デビューである名作も観ていない。今度、ネットで覚えて歌ってみると……な、なんだこりゃ。どういう歌だ? 意味が分からんぞ。映画を見ればわかるんだろうか。歌そのものは美しいし歌いやすい。曲者は「あなた達」である。「あなた達」とは誰のことなのだろう? 「あなた達」は霧に仲よく消えていくし、「たくましい」と形容され、「有難う」とお礼を言われる存在である。最後は「さようなら」とお別れする。あらすじを読むと北朝鮮への帰国事業や差別も描かれているようだから、この「あなた達」もそっちの方かと思ったりするのだが……。

吉永小百合は三浦哲郎の自伝的小説『忍ぶ川』の映画化に当たって志乃役に決まりかけていた。監督は熊井啓である。だが日活の意向、親の意向がモノクロームと原作にこだわる熊井の考えと折り合わず、映画化は暗礁に乗り上げた。小百合本人も初夜のヌードシーンを演じて清純派のイメージを脱ぎ捨てることにはためらいがあった。映画『忍ぶ川』は熊井が日活を辞めてフリーになった後、東宝でようやく実現する。志乃を栗原小巻が演じ高い評価を得たが、熊井は後に小百合の母親の手記で名指しで非難されるなど禍根を残すことになったという(Wikipedia)。小百合と小巻は誕生日が1日違いの魚座、三浦哲郎も魚座だし、“志乃”も魚座と親和的な星の生まれと想像できる。魚座の人の人生もいろいろである。

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コメント:

吉永小百合ねぇ…

10年以上前に、ビデオで“細雪”と“時雨の記”を見ただけですが、私どもの世代で共感できる女優さんではないような…苦笑。
歌だって、お世辞にも上手い(巧い)とは思いませんし、ねぇ。

ところで、世事に疎い私は「後藤麻衣」なる人物がわからず、ググってしまいましたよ(苦笑)。
吉永小百合の話題で、大山ニャンコはともかく、「後藤麻衣」とはこれいかに!?

うわーっ、30分前だぁ

あれれ、ダイナー氏は本間千代子ではなかったでしたっけ…ちっ、よっ、こーーーーーーぉ。あれ、あの時は、なんで本間千代子が出てきたんでしたっけ? ううむ、山姥さんに抜かれましたが、やはり、山姥さんは早い。でも、元気なんで何よりです。確か、山姥さんのブログでも、私は誰か女性の名を呼んだはず。その名を忘れました。ところで、山姥さんの名は…君の名は…なあんちっち。

  • [2014/11/17 19:54]
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そうですな…

山姥さんの言うとおり、この関連性のなさが、いいですな。テレビではついこの間まで、ランドセルしょってたような人ばかりが映り、もう私くらいの人はごく一部しか映らなくなってしまいました。寂しいことですな。ヘミングウェイからいきなり尾崎翠を読み始めました。仁丹をガリガリ噛んでから暗がりで女性に口づけをする男性が、仁丹を噛まずに口づけしたため、女性に嫌われる話です。ダイナー氏のくちづけ句を思い出したわけです。

くちづけは仁丹噛んでひんやりと

初老のくちづけ人痰、あれれ、なんて変換するんだ。痰なんて、ああ、きったねえなあ。
もう一度。

初老のくちづけ仁丹必須

だめだ、きまらねえや。
ちっ、よっ、こぉーーーーーー。

  • [2014/11/17 20:13]
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Re: 吉永小百合ねぇ…

後藤麻衣……知りません。単なる風景です。

Re: そうですな…

仁丹よりパーシャルデント冬はじめ

木枯らしや部分入れ歯の手入れかな

冬木立忘るるもなき千代子抄

すみません

昨夜は亀戸でワタナベ君と飲んで酔っ払って帰り、素っ気ないコメント返ししかできませんでした。彼と飲むと必ずこうなります。まだ酒が残っておりますが、何とか大丈夫。

キューポラのある街

吉永小百合か・・・。今でも旅ものの観光ポスターにでているが憧れのスターだね。見た映画は残念ながら記憶の外だ。でもキューポラのある街に関して東京の下街の風景が撮影場所になっているのが素晴らしいと作家の川本三郎のエッセイにあるので映画(DVD)を見てみたいと思っているが見つからない。彼女の演技も歌も今のションベンくさいど素人のバカ娘がやる幼稚園児以下の芝居に比べたら、当時の時代でも評価出来ると私は思います!

Re: キューポラのある街

『キューポラ……』ロケ地巡りの動画がYuoTubeにアップされています。東京の下町も入っているかもしれませんが、主体は埼玉の川口市でしょうね。それより主題歌の不思議な歌詞を誰か解説してくれないものでしょうか。

歌詞にリンクを

貼ってありますが、誰も見てくれてないんでしょうか?

作詞作曲コンビ

佐伯孝夫と吉田正は「有楽町で逢いましょう」「寒い朝」「いつでも夢を」など、はやり歌作りの名コンビだったのでしょうな。この歌詞は映画を盛り上げるため、青春賛歌のため、映画内容に合わせて、それほど深い意味もなく、吉田氏のピアノにうまく詞がのっかったのでしょうな。詞かメロディーか、どちらが先に出来たかわかりませんが、感覚的なひらめきで、そして当時としては世間もそれほどにひっかかる歌詞ではなかったのではと、思いますが…
 小百合かあ……年上だからなあ。中学時代、放送部で、「寒い朝」を流したら、職員からクレームが来た。「歌謡曲はだめだぁ!」
 当時の歌は詞とメロと別の人が作ってた。どっちが先だったのか、私はそっちのほうに興味がありますな。吉田がピアノで適当メロディ流してて、その場で佐伯が映画にあわせた美化的文章をはめ込んだか…想像ですが。

Re: 作詞作曲コンビ

「寒い朝」はイカンイカン。そんな退廃的な歌は禁止だーーーっ! 今朝は寒いっっっ!

映画にあわせた美化的文章をはめ込んだ……そんなテキトーなもんじゃないな。かなり周到に執拗に「あなた達」が繰り返されます。それにこれは浦山監督の意向ともきちんとすり合わせた結果ではないでしょうか。謎です。歌に強い後藤氏の登場を待つしかないかな。

「寒い朝」が流行ったとき、某革新党員が「心ひとつで暖かくなるなんて、唯物論じゃない」と言ったのには絶句しましたね。その彼も先年亡くなったと聞きました。

この場合作詞なんだけど

歌詞の内容までに唯物論で迫るなんてすごいですね。「赤フン」のような旗を振って唄う君達のは唯物論に適っているんですか?歌詞の中身にいちいち疑問をもったらどうなんでしょうね、詰めていったら「君が代」に行き着くんじゃないですかね。アベシンゾウが作った多くの恐怖の悪法は、早くも報道の内容にまで食指を伸ばして検閲し始めていますから、歌詞だってそうなるでしょうね。(例えば天皇賛美、靖国神社崇拝、国家忠誠など)~ようするに戦前の軍歌ですよ。中身なんかどうでも良い、七五調のリズム合って癒されればそれで私は満足ですね。

Re: この場合作詞なんだけど

歌の中身、映画の中身に目を光らせて、これはブルジョア思考だとか言っていたのが某革新党ではなかったでしょうか。戦時中の俳句が工場風景を読んだだけでアカと決めつけ、取り締まったのと相通ずるものがありますね。安倍政権が「君が代」を歌わせ、愛国心を醸し出そうとしているのと同じ錯覚です。そんなことを言えば、みな肩を組んで「インターナショナル」を歌って何かしようとしていた時にも、そういう錯覚があったことは否定しませんけど……。ついでに言えば、私たちも赤フンを振ったりしましたね。

恋狂い?

「わが胸の燃ゆる思いにくらぶれば煙はうすし桜島山」をてっきり与謝野晶子の歌だだと長い間信じていた。ある人妻と散策した時、ふと呟いてくれた想い出が今でも心に焼き付いている。しかし、なんとこれは薩摩の志士として頑張るつもりが当時の藩主島津久光の浪人嫌いのため退去させられ、失望した時に平野国臣が詠じたという。てっきり恋の歌だと思ったから彼女の気持ちが嬉しくて今でも忘れられないということサ。(思うにたぶん彼女も恋の歌だと信じていたのではないかな)

晶子風か・・・

哀しさよ想いとどかぬ酒づきに仄かに残る口紅の跡

居酒屋の匂いに咽ぶ路地の裏人妻の香もその中のこと

酔いもまた悪酔いもまた君が癖今宵は何故か静かなりけり

人妻

人妻の向こうに桜島煙うすくて眼にも入らず

巌鷲氏人妻無しでは夜も日もあけず

恋歌と信じていればこそ続く火遊び

今日はいい天気見回しても他人の妻ばかりなり

Re: 恋狂い?

ゴミを出している間に通りがかり人さんに先を越されました。

与謝野晶子は鹿児島ではなく桜島とは縁もゆかりもないようです。
平野国臣は澤宣嘉を擁して生野の変を起こしますが、澤は逃亡して蜂起は失敗。どんどん焼けのどさくさに紛れて殺された悲劇の主ですね。ま、歌人の人妻に免じて許しましょう。晶子の夫鉄幹は教え子2人に手を付けたセクハラ教師でもありますが、あまり糾弾されないのはなぜでしょう。

居酒屋は人妻ばかり秋の暮

Re: 人妻

巌鷲山そのうちマグマほとばしり

秋暮れて恋と信ずる薄煙

白クマの妻も白クマおお怖い!

遥かな時代

映画「キューポラのある街」は子供の時に見てそれなりに感動した記憶です。そして、きれいなおねえさんとしての吉永小百合のファンにもなるのですが、先輩諸氏の中に何人かいたサユリストの迫力ある小百合信望には舌を巻く、準サユリストといったところでしょうか。やはり、きれいなおねえさん、は好きなのです。
 内容は、進学を熱望する女主人公が家の貧乏のため思うに任せず、すったもんだの末、夜間部に進むことで明るい希望を見出す、と言ったものだったでしょうか。その間に主人公周辺の様々な問題も織り込まれる。今から思えば、ありがちな映画作りと言えるでしょうが、やはり、貧乏な中にも明日への望みをたたえた時代精神が映画の人気を支えたという気がしています。古い映画を後の時代感覚で裁断するのは後知恵のお門違いと言うべきだろう。そして、吉永小百合はその時代精神を背負ってはつらつとした演技をしていた。その後イメージが固まりすぎてなおかつ大物女優として扱われ過ぎて、関川夏央に言わせると「わざわざつまらない映画を選んで出演している」状態になったのは気の毒だが、役柄を超えた一つのスター存在としての今もそう悪いものでもなかろう。
 ちょうど読み終わった宮本輝の「流転の海」第6部でも北朝鮮への帰還問題が大きなエポックとして登場するが、この映画でも印象深い別れの場面として描かれている。あのころの時代風景として省けない出来事だったのだろう。帰還者の日本人妻問題、赤軍ハイジャック、拉致問題まで経た今から見ると、正に隔世の感がある。
 「寒い朝」を「キューポラ・・」の主題歌と思っていたぐらいで、大納言氏提示の主題歌については全く記憶がない。人の記憶は怪しいものだ。北風吹きぬく寒い朝に、若い子鳥は空に飛び立ち、北風の中に春を待とう、というならば、「キューポラのある街」とほとんど主題は重なっている。歌声喫茶の定番愛唱歌になったのも頷ける。
 今の川口にはキューポラはほとんどないらしいが、仕事で鋳物製品を発注するときにふとその住所-本社・川口市などと言うのを見るとあの時代から鋳物を作り続けている会社なのだろうな、と遥かな思いが湧いて少し温かい気持ちになります。

Re: 遥かな時代

「わざわざつまらない映画を選んで出演している」との関川氏の評価はまったくその通りです。その曲がり角は「忍ぶ川」にあったと私は思っています。清純スターから脱皮するきっかけを台なしにしてしまったんですから……。親がらみだったこともありましょうが残念です。
それと「貧乏」という状態は日本にまだかなり遍在していたと言えます。だからこそ共感を持って受け容れられヒットしたとも。現在は貧困はあるのに表に出ないである日ストンと落ちてゆく。テレビドラマでも貧困家庭はなかなか描かれませんからね。貧乏だけど明るく清く、明日を夢見て一生懸命働く……そういう渇望は薬にしたくてもありません。ホリエモンやホステスの勝ち抜きストーリーではこんな歌はできないでしょうし……。

「鋳型」などという言葉の出てくる歌謡曲はこれくらいのもんでしょうね。

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