愛の孤独と剣の自立 

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25日はいささか奇妙な体験をした。虎ノ門の台湾文化センターへ写真展を観に行ったのだが、会場で芳名帳に名前を書いていると、職員が来てにこやかに「もう始まってますよ、どうぞ」などと言うので、促されるままにカーテンの奥で映写されるスクリーンの前の空いている席に座った。暗い会議室に観客が4、50人はいたのではないだろうか。結局そこで予定外の台湾映画を最後まで観てしまった次第だ。写真展の方は大したことがなかった。
映画は2008年作の『ヤンヤン 陽陽』。監督は『一年之初』の鄭有傑である。台仏ハーフの人気女優サンドリーナ・ピナがヤンヤンを演じる。陸上部のライバル、ヤンヤン(張榕容)とシャオルー(小如)。ヤンヤンの母がシャオルーの父(陸上部のコーチ)と再婚し、2人は姉妹になるが、ボーイフレンドを巡って険悪な雰囲気に。ヤンヤンは実の父を知らず、フランス語は話せない。映画の世界に入るものの、希望とは裏腹に回ってくるのはハーフの役だけ……。
最近の台湾映画は全然観たことがなかったが、浅いピントのアップを多用し自然光を生かし、揺れ動くヤンヤンの内面の孤独を描くカメラワークが新鮮だった。SEXシーンもリアルだ。ただし、日本語の字幕に問題があり会話の性別も配慮されず、こちらは相当なやっつけ仕事とみた。なお、私はモテる牡羊座のサンドリーナよりシャオルー(何思慧)の方が好みだ。

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古い付き合いであるA氏が剣道で五段の審査に合格(合格率20%)した。68歳の彼は東京都で最高齢の合格者、五段まで1回の審査で通ったのは大田区で戦後2人目とのこと。大変な快挙である。2008年から15年11月までの8年間で年平均150回以上の稽古を重ねている。毎日、社長としての激務を終えて後の稽古だから、並の人間にはとても真似できない。しかも常にその一番に命を懸け、審査に合格しなければ剣道を辞める決意で稽古しているという。スポーツとしての剣道ではなく武道としての剣道を自得しようとしたとき、意識的にそうした場面を作り出さなければならないのだとも……。
今後は73歳で六段、79歳で七段、89歳で八段の関門がある。剣は初めが捨て身、到達点が相討ち。89歳の体力の衰えに克つ気力の充実、気勢を我が物とし、多様な技も習得しなければならない。雑念を払って生死の間に入る……間合いが分かるとはぼんやり匂いがすることだという。剣の本質は「不立文字」、すなわち言葉では伝えられない世界にあるというのが結論のようだ。
彼の剣道を赤胴鈴之助などと揶揄したこともあったが、これほどまでに死生観と意志に関わる課題として見据えていたとは知らなかった。アダルトサイトなどを見て日を送っている自分が恥ずかしくなる。個人年金を94まで掛けて安心という世界とは違うのである。私もせめて1日1首を心掛けたいものだ。

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コメント:

新年のご挨拶

>審査に合格しなければ剣道を辞める決意で稽古している
日中は重責にあるにもかかわらず、決して楽ではない稽古に励む。自分を追い込んでいけるということは身体の剛健さと意思の強さが必要なんでしょうね。恐れ入りました。
 高齢になってもこうしたことに専念できるためには、特別な資質が必要なように最近思っている。同世代の友人を見ると、たいていは肉体的な衰えと同時に気力の萎えに妥協して、生きながらえることが自己目的となっているようなご仁が少なくない。

>アダルトサイトなどを見て日を送っている自分が恥ずかしくなる

まあ、ご謙遜なさらずに、少しでも近づこうとすれば、明日が拓けるかも知れないですぞ。

さて、今年も年が明けました。ダイナー氏の年頭の所感はいかがなものですか?
最高齢の剣道5段のご仁が目標ですか?

お稽古事はいろいろやってきましたが、やや自虐的なところがないとできない。10年前に始めたお茶も、まあそこそこまで行ったが。どうも「型」の習得が自己目的化してしまって、茶「道」なるものが時代から相当に取り残されているような気がしている。(茶道の現代的再興は可能か?)剣道のご仁は、自分の猛烈な仕事人生とどう「両立」させているのだろうか。お会いする機会があればお伺いしたいものだ。

遅ればせながら、年頭にあたり、今年もまたさまざまにお世話になることでしょう。よろしくお願いします。くれぐれも自己管理をしっかりやって、ミルナくんのご忠告をようく守って健康管理を怠らずに、自愛しつつ過ごされますよう祈念しております。

ブログでの出会いの皆様にも、今年も何卒よろしくお願いします。

Re: 新年のご挨拶

>  高齢になってもこうしたことに専念できるためには、特別な資質が必要なように最近思っている。同世代の友人を見ると、たいていは肉体的な衰えと同時に気力の萎えに妥協して、生きながらえることが自己目的となっているようなご仁が少なくない。

生きながらえることが自己目的化ですか……耳が痛い。A氏は一つの遠い手本ですが、まあ、私は私なりの折り合いを付けていくしかないと思っています。

> お稽古事はいろいろやってきましたが、やや自虐的なところがないとできない。10年前に始めたお茶も、まあそこそこまで行ったが。どうも「型」の習得が自己目的化してしまって、茶「道」なるものが時代から相当に取り残されているような気がしている。(茶道の現代的再興は可能か?)剣道のご仁は、自分の猛烈な仕事人生とどう「両立」させているのだろうか。お会いする機会があればお伺いしたいものだ。

津軽の理屈っぽさとA氏の水戸の理屈っぽさが激突すると面白いかも知れませんねえ。

> ブログでの出会いの皆様にも、今年も何卒よろしくお願いします。

お互い無礼失礼覚悟で付き合っていきましょうよ。
今年1年、よろしくお願いします!

『ヤンヤン 陽陽』

リンクを張っておきました。
パンフの丸写しであることがバレますな。

年の初めに

 「如月より」をご愛顧されている全国のごく一部のみなさん、お互いどうやらこうやら未年を乗り越え、申年を迎えられた事とお喜びいたします。

昨年は「ビート後始末記」から始まった。大納言氏は語る。「つづり方運動ではないが、何かがあるから書くのではない、書くによってよって歴史は分節され歴史となるのでアール」「70代に入り何とか世間に居場所を見つけられたような気がします」。
古い友人の剣道5段の審査に合格した話は、不退転の決意というか背水の陣とでもいったらいいのか、スポーツとしてではなく武道としての剣の道を極めるために生涯をかける生き方に感動した。これこそが「何かがあるからやるのではない、やることによって自己の生涯が歴史になる」のではないかとボクは考えさせられた。
人はだれしもそれぞれ目指すところは異なるわけだから《アダルトなどを見て日を送っている自分が恥ずかしくな》らず、その道を極めればそれはそれで《歴史は分節され歴史となる》のではないだろうか。(アダルトの道は例えばの話だよ!)
たかしくんも言ってるように『ご謙遜なさらずに、少しでも近づこうとすれば、明日が拓けるかもしれないですぞ』。まさに[七十にして矩をこえず]じゃないですか。
たかしくん同様、年頭に当たり今年も昨年以上にお世話になる事でしょう。シッチャカメッチャカのコメントですが削除せず載せていただければありがたいですな。今年も、より過激になるやもしれませんがよしなに願います。
年賀状も一期一会ならブログも一期一会です。今年もブログでの出会いが元気でできるよう活き続けましょう。

Re: 年の初めに

> 年賀状も一期一会ならブログも一期一会です。今年もブログでの出会いが元気でできるよう活き続けましょう。

私の書き放し文を読み込んでいただき恐縮です。
一期一会の交差点……というよりは喫茶店「ミッドナイトストリート」のカウンターにでもなるならば本望です。今年もよろしくお願いします。

今週中には更新します

もう少々お待ちください。
相変わらず気分が晴れません。

雪の夜と生きる覚悟

今日は、いつも頼んでいる有機米の7分つき米が入ったとの連絡があったので、近くの知人宅まで取りに伺った。夜9時を過ぎれば人通りも少なく、道路はツルツルとしていて、なるべく靴と道路との接着面を多くしてすべらないように慎重に歩く。夕食前から温かい部屋にいたので、冷たい夜風が(多分マイナス4度くらい)が気持ちよい。往復12,3分。

こうして食料を手に入れて、毎日たいした変化もなく過ごしている。それが生きるということだ。
ミルナくんの記憶力には感銘する。そういえば、つづり方を例に何かを書いていたような…そして今回の退路を断って剣道に打ち込んでいる知人の話し。そう、これはダイナー氏の覚悟を語ったと読めるのだということをミルナくんから教えられた。


ユネスコの学習権宣言にこうある。「学ぶとは、自分自身の世界を読み取り、歴史をつづる権利である。…学ぶとは成り行きまかせの客体からみずからの歴史をつくる主体にかえていくことである」。
 平和に生きようと望むなら、平和に生きることを学ばなければならない。
 今年もまた、学びつつ平和を生きるたたかいの歴史をつくる「主体」となれるように行きたい。背水の陣をしいている覚悟で、できることをしようと思う。

Re: 雪の夜と生きる覚悟

ミルナくんは以前のブログ記事を読み返しながら書いているんだと思いますよ。読み返してくれるだけでもありがちことですが、ますますうかつなことは書けなくなりますね。
ところでお年寄りは滑って転ぶと骨折し、寝たきりになる危険が高いそうですよ。くれぐれもご注意ください。

>  平和に生きようと望むなら、平和に生きることを学ばなければならない。

戦いは自然過程だが平和は学習による意思的なもの……。なるほど。黙っていれば争いに入っていってしまう。納得できます。

昼寝が長い

ここ2日ほど、午睡が1時間にも及ぶことが多い。今日は気が付くと2時間近く。ちょっと疲労感があるのかもしれない。体重が少しオーバー気味なのが原因かも知れない。

暮れから正月には、何かと過食になる。おさえても根が食いしん坊だからしょうがない。もっとも、きちんと修正能力があるので、20歳代の体重は今でもほぼ維持している。体型もまあまあと自分では思っているのだが。

マンションの廊下を往復すると3分、これを10回すると30分の運動になるので、この1月半ほどしている。ヒントは近くのジムで廊下をウオーキングに使用させていること。外はツルツル路面で歩くなんていうものではない。マンションの中も使いようによっては運動場になる。

Re: 昼寝が長い

私は昼寝の習慣がない(居眠りならしょっちゅう)ので感じが分かりません。本睡眠が浅いということの代償でしょうかね。何時頃から眠るんですか? しかし私は独り者で年始回りもしないのでいつもと同じ食事でした。

マンションの共用廊下でウオーキングとはなかなかですね。私は飽きっぽいからできないな。猫もいないだろうし……。

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