ロ短調の道 

バイパスで分断された根っこの方が昔の姿を保っている
道1 

故郷の町外れに1本の道がある。もともとは駅の裏から延びる寂しい開拓道路だったのだが、バイパスが横切って根っこの辺りを分断され、さらに急激に宅地化が進んで昔の面影はなくなった(私の家が建ったのもこの道の側である)。天気がよければ散歩に最適で、私の家から20分くらいで終点に着いてしまう。昔は分厚い杉の林と秋はススキが揺れる中を通り、サイロや放牧地の風景を見るカーブと起伏が絶妙であったが、今は大半の杉林は伐採されススキの原もなくなった。終点はS家でご主人は3年ほど前に亡くなってしまった。ここに大小2つの貯水池があり桜も咲いている。歩み寄って池の写真を撮っていると、大きな真鯉が挨拶でもするかのように浮かび上がり悠然と泳ぎ始めた。

お気に入りの水辺である 
道3 
道4 

この道を通ると私は必ずブランデンブルク協奏曲第5番2楽章ロ短調の、もの悲しい旋律を思い出す。中学生のとき学校放送のドラマ制作に引っ張り出されたことがあり、そこで選ばれたのがこの曲だった。近世あたりの母親と息子の物語で、馬に乗って草原を疾走していくクライマックスシーンにこの曲がかぶせられる。筋はすっかり忘れたが、秋深いススキヶ原を駆け抜ける場面が現実の寂しいこの道にオーバーラップしてしまうのである。

今の季節、連翹が咲き乱れている
道2 
      

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コメント:

武蔵野の面影に似て

写真と文字づらを見る限り「国木田独歩の武蔵野」の雰囲気にも似て心休まる散歩道が眼に浮かぶ・・・

Re: 武蔵野の面影に似て

この道、貴兄も知っているはずですが……。

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