雪は白いか 

野辺地駅前

「雪は白くなくちゃ」というのが写真クラブでの大先輩、ベテランT氏の主張であった。写真で雪はいつも白く写っていなくてはならないというのである。雪国育ちの私からすれば白い雪などは常套句の1つでしかないし、江戸っ子の旦那のフィクションにすぎないと思われた。せいぜい雪は白く見えることもあるというのが正確なところだ。長い冬の暮らしを閉じこめる雪は何よりも灰色であり、重苦しい雪の封印が解かれて太陽が顔を見せるとき、ようやく雪は白く青くまたオレンジ色に輝くのである。特に灰色の雪が止んだ夕方、太陽が没した後の雪原に晴れ渡った空が広がると、雪はそれ自体が発光するかのように紫色の光を放つのであった。こんなとき水神さまの下の坂道には、すっかり暗くなるまで子供たちの遊ぶ声が響いていた。

間接的にT氏の訃報を聞いてから、すでに10年近く経ったようだ。
雪が降ると彼の言葉を思い出す。
   

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コメント:

間接的にT氏の訃報を聞いてから  て なんだ
本人から訃報もらえよ

Re: 直接的訃報

> 本人から訃報もらえよ

本人が訃報を出せるのは堀田様くらいのものでしょう。

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