死都ブリュージュ 

野辺地

福島第1原発周辺を「死の町」と表現した大臣が辞任した。

岩波文庫にローデンバック『死都ブリュージュ』がある。ブリュージュも「死都」と言われておかんむりだったらしいが、私の言いたいのはそのことではない。岩波文庫版『死都ブリュージュ』には多数の写真が挿画の代わりに使われており、詩人が描く灰色の都の物語にリアリティを与えている。ではこの写真は誰が撮ったものであろうか? 文庫には一言の説明もない。電話すると文庫の担当者はなぜそんなことを聞くのかと言わんばかりの対応でがっかりした。あちこち探し回った結果、神戸大学の紀要論文でやっと手がかりを見つけた。ローデンバックはこれらの写真を、観光写真を専門に扱うレヴィ/ヌルダン社に提供してもらったのだという。今で言うストックフォトであろう。だが印刷段階でわざわざネガにあった人物を消し、人影のない風景を演出した痕跡も見られるとか。この本が出た19世紀はヨーロッパでも写真の価値は低く、写真は絵を描くための下書き程度の存在でしかなかった。パリを撮って不滅の作品にしたユージーヌ・アジェも、下書きのための写真を撮って暮らすひとりであった。
    

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コメント:

言葉も写真も

またしても言霊に呪われた大臣がいた。人のクチに戸は立てられないというが言葉には霊的な力が宿ることをもっと知るべきだ。写真も現実は写すが真実は写せないといわれている。声に出した言葉同様シャッターを押した瞬間、被写体に魔力が影響を与える・・・。

Re:言葉も写真も

写真は真実を写す(かもしれない)けれど、事実は写せないと言っても間違いじゃないかもしれませんね。ちなみに、この文庫本が出たのは88年、神戸大学の紀要を見つけたのはつい最近です。今日は久々にチラシ配りします。

大臣になると口が「すべる」のか、もともと「すべって」いたのか。たしか以前、国会対策委員長でしたから、これまでも記者連中と話をしていたはずなのに‥。
こんなお粗末だから、マスコミが余計付け上がるんでしょうね。

  • [2011/09/12 22:15]
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政界の吉幾三も立ち往生ですな

しかし柳田稔といい松本龍といい、言葉が軽すぎますね。なぜあんなに口がすべるのでしょう。民主党になってから一挙に規律が壊れてしまったような感じです。やっぱり自民党かな……なーんてね。

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