中野・阿佐ヶ谷・高円寺 

何だか妙に忙しない。原因のひとつはギャラリー回りだ。毎日夕方には出かけて1か所か2か所は必ず回るついでに、電車の中で新聞を読むのが日課になっている。以前は適当に取捨選択していた(せざるを得なかった)ものを、最近は都合の付く限り有料以外のほとんどを回るようになってしまった。これでは身がもたない。電車で新聞を読むのも目に良くはないと思う。

                  
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2日、荒井眞治の写真展『アメリカを好きですか?』が最終日なので西荻まで出向く。荒井は毎日の出版写真部長を務めたが10月に定年を控えるという。展示は在日米軍基地の街を撮ったもの。最後に付け足し(心情的にはこちらがメインかも)のように写真とともに掲げてあった伝説のロックバンド「村八分」の結成メンバー、山口冨士夫への追悼文がチト気になった。山口は2013年に福生駅前で他人に殴りかかるアメリカ人男性を止めようとして突き飛ばされ、脳挫傷のため死去。享年64。「村八分」はメンバーが入れ替わりつつ現在も続いているという。
会場のSAWYER CAFEはゆったり目のスペースでジャズのレコードが揃い、酒も飲めて深夜までやっている。西荻は漫画家などが多く、ミュージシャンは腐るほどいるとか。確か北尾トロも西荻ではなかったか。北尾は数々の裁判ルポで知られるが、最近は自身のインプラントの失敗を本にしていたようだ。中央線沿線のこうしたインテリ文化圏は独特の雰囲気があり、それがまた物語を生み出す分厚い舞台にもなっているのだが、私はついにそこへ入り込めなかった一人だ。そういえば昔、男女デュオの歌う「中野・阿佐ヶ谷・高円寺」という歌謡曲があったな……と、暮れゆく車窓を見ながら思い出していた。

    
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たまたま某君のブログを見ると道浦母都子『無援の抒情』を取り上げていた。彼のブログは1日の閲覧数何百人とMyブログとは比べものにならないが、俳句や短歌などの記事にはコメントがほとんどつかない。でも、彼が取り上げている詩歌はしっかりしたものばかりだ。さて、道浦の人口に膾炙した「カルチェラタン」の一首は、このところ連絡の取れない友人N君が「つまらない」と言下に切り捨てて以来、私もあまり評価していなかったが、某君はその「音楽性」を買っているようだ。仲間内では亡くなったI君が評価していた以外評判はイマイチだったように思う。何となく「マジ」な詠いぶりが気に入らなかったのかも知れない。しかし、歌人の評価は少なくとも一冊の歌集を読んでかからなければ公平ではない。東京新聞の「一首のものがたり」でも道浦を取り上げ、「われらがわれに還りゆくとき」という彼女の歌集の言葉を引いて論評していた。

                   
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総理のご威光すさまじい 

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大学の恩師が1月28日に亡くなったと届いた同窓会報に書いてあった。享年89。エントモロジーの泰斗である先生に、その昔とんでもない戯言を述べてとことん呆れられたのはこの私だ。おかげでその後の30年ほど、私は先生の記憶から完全に消去されてしまった。今年の年賀状に「90歳になるので以後賀状のやり取りは遠慮したい」とあり驚いたが……。東京の地にてただご冥福を祈るばかりだ。

         
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これまでの眼科クリニックに愛想が尽き、今日南砂のK眼科へ行ってきた。予約は朝9時。我が家からだと丸八通り1本だが、混みそうなバスを避けて急ぎ足で向かうと約25分で着いた。南砂町駅は改修工事で出入り口が移動され広場はゴチャゴチャしているが、そこに面するビルの2階、前からよく知っている場所だ。なお、町名は「南砂」、駅の名前は「南砂町」であるから注意を要する。
さて、眼科は朝から患者が詰めかけ、若い女性の事務員がキビキビと動いているのは気持ちがいい。患者に高齢者が多いのは前のクリニックと違うところ。雰囲気もいい意味でだいぶ違う。診察はまず眼圧や曲率を測り、視力検査はタブレット操作の省スペース視力計で行う。どういう原理かランドルト環はクリアですごく見やすい。視力も1ランク良く出る感じだ。メーカーをさぐろうとしたが分からなかった。また、チャートで視野の歪みなども検査する。それから散瞳の眼薬を付けてしばらく待ち、眼の奥を撮影する。そこまでは想定内だったが、次に女性の先生のところに回され、いつもと違う猛烈な光を何度も何度も浴びせられたのには参った。終いに吐き気がしそうになった。
院長の診断は、網膜前膜と白内障があるがいずれも軽い。眼底出血は認められない。色が抜けて見えるのは網膜の感度低下だと言う。とりあえず、網膜の機能を改善する飲み薬カリジノゲナーゼとドライアイの点眼薬ヒアレインを出してもらった。来週はメガネ合わせと視野検査を行う予定だ。結局、左側だけ視野が歪み色が抜けたりもやが掛かったように見える原因ははっきりしなかった。徹底的に検査してもらったので一安心ではある。

            
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観てますか、お昼の『やすらぎの郷』。倉本聰オリジナル脚本による大人のドラマという触れ込みで、テレビ・映画関係者専用の老人ホームを舞台にし、主人公の石坂浩二を筆頭に昭和の名優たちがゴロゴロ出るので話題性があり視聴率も上々らしい。昼めしのおかず代わりに時々観ているが、どうも食えない。山本圭のあだ名が「大納言」だということや、私の好きな風吹ジュンを認知症にし自殺させてしまったことも何だが、致命的なのは石坂浩二はじめ俳優みんな老人が身についていないことだ。そのため老人のお面をかぶった俳優がドタバタしているようにしか見えない。倉本先生の悪口はプロにはなかなか書けないだろうから私が代弁しておく。

獺祭って旨いのかな
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布団は冷たいが町は温かい 

                           
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思い出の松浦食堂。右の酒屋はお休み
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いやはや、今回の帰省(墓参)は雨風に祟られて散々であった。1日目(13日)は東京も雨で駅まで行くうちに手提げ袋の上に載せた新聞がビショビショになった。雨風が強いので墓参は中止、草取りも写真撮影もできないので、ローソンでカーネーション1本を買い仏壇にお土産と伴に供える。カーネーションは土の代わりに消臭剤と似たようなビーズが入っている。どのくらい持つものであろうか。夕食を食べ、飲んでいるうちに弟が絡み出したので、まだ6時だが早々に引き上げる。風呂は面倒だし私が入った後のお湯は捨てることになり、もったいないのでシャワーにするが当然寒い。ベッドは冬布団を掛けたので大丈夫だろうと思っていたが、夜中に風が強くなり、身体が温まらない。毛布を追加したがまだ寒く、PETボトルにお湯を入れて湯たんぽ代わりにしたが効かず、熱いお湯を入れてやっと寝付けた。

                    
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次の日は寝坊したので、昼ご飯を食べてから墓参りに行く。周りを掃除して花を供えるが、線香やろうそくは風が強いので立てられない。写真を撮り歩きついでに、本町の旧姓Aさんの薬局に寄り四方山話。中学のN先生が亡くなったという。N先生は音楽の担当で私をコーラスメンバーから降ろした事件の恨みが忘れられない。顛末についてはこちら(たかしくんに言わせると生徒虐待だという)。ついでに大根のど飴を1つ買う。家のまわりの草取りをするが、地面が濡れているので靴が泥だらけになってしまった。ダイエーのアイディアショップで買った狭いところの草が取れるという器具を使ってみたが、屈んでやるので膝と腰がけっこう痛くなる。結局、3分の1ほどはやり残した。
さて下町の途中に脇へ入る二股道があり、いつも歩いて撮っている道だが何となく気になっていた。今回たまたまそこにいた男性と話をしたところ、この道が江戸期の旧道だと聞かされた。道は川で途切れているが、かつては橋で川向こうの道につながっていたのだという。意外な情報だった。藤川旅館の横の道は新しい道だということになる。

真ん中の写真、右の道が江戸時代の旧道だという
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3日目も烏帽子のお山は姿を見せない。親戚のHさんのところへお土産を届け、写真を撮って歩くが天気が悪く遠出する気にならない。鳥居が壊れた石神様へ行ってみた。再度近所のYさんやUさんと話をする。石神様が財務省の土地であること、Uさんの本家(在北海道)から毎年しめ縄が送られてきていること、石神様は軽石なので年々小さくなってきていること(屋根を掛けるのが望ましい)、鳥居の廃材で賽銭箱を作ってもらったらお賽銭ごと盗まれたことなどの話を聞かされる。塩ビの鳥居が安価なので本家の人の意向も聞き、何とかご近所を纏めてもらえないだろうかなどと話していると、Uさんが私には荷が重すぎてできないと言い出した。とりあえず本家の電話と住所を聞いて置いてもらうことにする。確かに高齢のUさんに負担を掛けるべき案件ではない。帰り際にYさんはこっそり「(ご近所は)みんなこうなんですよ」と打ち明けてくれた。石神様の存続に責任を負わされたくないという思いらしい。

                
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もう一度お墓に寄り灯明だけ点けて懇ろに拝んでおく。帰り道、偶然役場の近くにGARDEN CAFEという小洒落た喫茶&雑貨の店を発見したので入って珈琲を飲む。広い店内はログハウスふうでテーブルやイスも手造りで纏められ、カントリーウエスタンが掛かっている。弟に聞くと彼の同級生の娘さん達がやっている店だそうだ。女性向けだというが、野辺地は喫茶店が少ないので続いてほしいと思う。

                    
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牡羊座と蟹座のカップルは不吉 

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連休中の一日、目黒美術館で「よみがえる画家-板倉鼎・須美子展」を、次の日は世田谷美術館分館・清川泰次記念ギャラリーで「清川泰次の写したパリ」を観る。
目黒は28歳でパリに客死した板倉鼎と、25歳で他界した妻須美子の画業を紹介していた。夫婦で渡仏して先端的な思想を吸収し、羽ばたき始めようとした矢先の鼎の急逝は無念。鼎が牡羊座の生まれ、須美子が蟹座で、その結婚は不吉な前途を予感させた。帰国した須美子と幼い子供2人も相次いで世を去っている。
世田谷は、画家の枠にとどまらない清川泰次が1954年にパリを撮った作品を展示する。もともと、立体カメラStereo Realistで2カットずつ撮影されたものだが、展示はその1カットをプリントしている。パリ裏通りのスナップが味わい深い。親交を深めた藤田嗣治がアトリエで裸のモデルを描く様子も撮影しており、帰国後その1枚が『アサヒカメラ』(1955年2月号)の表紙を飾った。なお、立体カメラの撮影画像を変換し、数カットを赤・青のメガネで見られるようにしたものが置いてあったが、私の左目は色覚が弱いのでうまく立体視できないものもあった。

                        
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「ウォーターゲーム」にはいろいろご意見をいただいたが、私自身内容をよく把握できなかった部分もあり、たまたま届いた元江東区議・前田かおるさんの区政レポートがうまく纏めていたので、その要約を引用する。
①水道事業での国と自治体の役割を事業計画の策定と実施から「水道基盤強化」へと変更し、事業の経営主体は水道事業者等とする。②水道事業に公共施設等運営権を新設する、等の内容となっている。この法案は公的責任を大幅に縮小し、計画と実施の責任を民間の株式会社が持つようにできる、民営化のための法案になっている。参照法であるPFI法を水道事業に適用する法案と言える。公共事業等運営権は自治体が施設の賃貸借兼は持つが、事業内容については運営する民間企業が決めるというもの。民営化すれば料金値上げもほぼ確実ではないか。PFI法では運営企業に破綻や不正があった場合、自治体が企業に損失補塡するとまで定められている。あまりにも露骨な企業の利益優先の法案ではないだろうか……。

                            
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高円寺北口でH君が営むバー鳥渡(ちょっと)に掛かっている林剛平写真展「雪の山、ブナの落ち葉、足の裏の肉球が弾む」は意外な拾いものだった。山形と新潟にまたがる山をテリトリーにするマタギの1グループにつごう5年間同行した記録だ。林は東北大の研究者で、3.11以降の放射線の影響を調査してきたという。この地域は日本の原発事故の放射線は極小となる代わりにチェルノブイリの放射線がまだ残っている。それを熊の肉と糞で調べるのだそうだが、淡々とした記録写真に凄みがある。何となく甲斐啓二郎のシリーズ作品を連想してしまったのは、タイトルの熊という字のせいばかりではなさそうだ。15日まで。

団地東側の工事内容が判明した。真ん中に道路を引き、両脇に2階建ての木造アパートが数棟できる由。2階建ては元が池で地盤が緩いせいではという声あり。
                             
                        

ウォーターゲーム 

知り合いの造形作家H氏が喉頭がんで放射線治療をしていると聞いた。手術すると声を失うので放射線にしたそうだが、治療の半ばを過ぎて食事が飲み込めない、皮膚が焼けるなどの副作用が出ているという。酒を飲むと赤くなりチビチビと何時間も飲むタイプで、それがよくないらしい。彼は私の弟と同じ歳だから心配だ。その1つ上の友人は脳梗塞で入院し一時は歩くことができなかったとか。リハビリがまだ続いているようだ。別の歳下の友人は昨年、硬膜下血腫で手術したとも聞いた。いわゆる団塊の世代の闘病体験が不安をかき立てる時代になった。いきなり過栄養社会に産み出され、高度経済成長下では自他共にイケイケの無理を多分に被った世代である。皆どこかにしわ寄せが来ていても不思議ではないだろう。

              
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テレビを買った。シャープのAQUOS19インチ。実は今まで使っていたテレビはソニーVIERA14インチで地デジチューナーがなく、レコーダーにつないで地デジ放送を視ていたので結構不便だったのだ。画面が小さいのはともかく、たぶん3.11の時だと思うが画面に傷が付き、それが日に日に大きくなる上、液晶の劣化も甚だしく見にくいったらありゃしない。価格コムで探すと、今ソニーは19インチクラスを出しておらず、有名メーカーではシャープ、パナ、東芝、日立となるが、実売価格やサイズでシャープに決めた。5年保証を付けて約2万5千円、PCボンバーという通販サイトが一番安かった。ネットで銀行からお金を振り込むと次の日到着した。

                   
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25日国会内で水道法の改正を巡る学習会が行われ、初めて警備物々しい衆院議員会館の中へ入った。当日Change.orgからのメールで知り、急いで駆けつけた。「プエンテ ~暮らしまつりごと~」というグループの主催で内容はこちら。森友問題のどさくさに紛れて主要農作物種子法廃止法案が可決された。これまで都道府県が管理していた農作物の種子が「自由化」され、重要な食の根幹が国際資本の猛威に曝される危険な事態になった。一方の水道法の改正は、現在市町村が運営する水道事業の人口減少に伴う水需要の減少、施設の老朽化、人材不足に対応し、水道の基盤強化を図るためとしている。所有権を自治体が保持し、運営権を民間事業者に設定できる制度を導入する。厚労省はこの上下分離方式を「コンセッション」と呼んでいる。麻生副総理は2013年TPPの交渉が進む中、米国の民間シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)の講演で「水道を全て民営化します」と述べ驚かせたが、改正はその発言につながる第一歩だろう。

辻谷、山田、奈須の各氏
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法案を説明する厚労省職員
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水という生存権に関わるインフラがアベノミクス(死語か?)のツールにされてはたまらない。元農水相の山田正彦は「運営権の(民間への)譲渡を厚労省ははっきり言っていない。大問題だ」と発言した。先行したパリ市の水道民営化は失敗し再公営化されるなど、世界的に再公営化が趨勢となっている。水道法改正は80年代の流行の遅すぎた猿まねにすぎないとも言える。直面する水道事業の課題をまず議論の俎上に載せなければならない。

                      
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註:「ウォーターゲーム」のタイトルは、昨年東京新聞夕刊に連載された吉田修一氏の小説から借用しました。